公私いろいろと忙しく,読むのに時間が掛かってしまいました.これを読もうと思ったのは,別に映画化されたからではありません.平成の測量によって劔岳の標高が2999mと決まり,その結果が明治の柴崎芳太郎の測量結果とほぼ同じだったというTBS-BSのドキュメンタリー「劔岳 百年目の真実」という番組を見て,もう一度読んでみようかと思い立ちました.
劔岳を実際に見たことのない方にはピンとこないかもしれませんが,実際に仰ぎ見ると本当にこの山に登れるのかと思ってしまいます.それを明治時代に,粗末な装備というか,ほとんど徒手空拳で登ったのですから,どんなに苦労があったかと思いますが,読んだ方はご存じの通り.
頂上に錫杖と刀剣が奉納されていたという,すさまじい事実.腐食の状況からも,その「初」登頂が10年や20年前というものでは無いことが明らかになります.
しかし,柴崎隊の測量結果が,現代のレーザーやGPSを使った測量と70cm程度の差しかなかったというのも,同じくらい衝撃的だと思います.この柴崎の測量は実は最終的に採用されず,その後2回ほど行われた測量では3000m以上とされていました.しかし平成の測量で柴崎の偉業が裏付けされた訳ですが,この平成の測量では実は標石の設置を行いました.
あの石を担ぎ上げたのも,いくら明治とは登頂技術も,機材も違うとは云え,とんでも無い偉業だと思いますが.
こういう,仕事を仕事としてではなく,まるで求道者が道を求めるがごとく仕事を成し遂げる人の精神を推し量ることは私には出来ません.残念ながら,そのような情熱が私には欠けているようです.いや持っていること自体が「異常」なのだとは思いますが,自分を小さく感じてしまいますねぇ...

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