
Ghost in the Shell 2.0 / Blu-ray
分かり切っていることながら,ディレクターズカットがもっとも出来がいいとは限らない.コッポラの地獄の黙示録をして,立花隆が「言葉足らずの部分が明確になったが,良くなったかは分からない」と言わしめているとおり.得てして饒舌になったり,意味が変わってしまったりして,作品の質がむしろ下がってしまうことが多々ある.
このばあいもその最たるものだろう.完成していた作品をいじりすぎて無意味なものにしているとしか言いようがない.押井はもう終わったと,みずから墓標をたてているようなものだ.攻殻の最初の公開時がかれの頂点で,それ以降の作品がそれ以上の名声をもたらしていないことがすべてだろう.
ことさら芸術ぶる映画監督が「世評」を軽んじる傾向があるが,ショウビズの世界は「売れてなんぼ」である.それにしても,タイトルバックに続く最初のダイブシーンは,タイトルの一部だと思えばまだ統一感のなさも許されるかと思うが,海でのダイブシーンはまったく作品としての緊張感を殺ぐカットになっている.
なぜこの作品に3D映像を挿入する意味があるのか,押井自信の言葉を聞いても全く理解できなかったが,みても理解できない.評価できるのは音声がクリアになり,臨場感が増したところか.それでも劇場版のままなので,環境音が妙に大きいバランスの悪さを引きずっている.
まあ,最近の新しい作品はどんどん収益が下がっているし,稼げそうなリソースで何度も稼ぎたいってことでしょうか?
単にBlu-ray版という観点からすると,以前のDVDをアップコンバートしただけのやつをみるよりは,ナックできるかなぁ...

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