
食品添加物危険度辞典
この本を購入したのは,初版発行の1999年.食品添加物に対する消費者の関心が多少高まり始めた時期のことである.当然今問題になっているメラミンなどは食品添加物ですら無いので,載っているはずもない.それにしても...と思う.日本の食品に関する表示は未だ先進国とはいえない状況だと思う.
その原因は官公庁が未だに消費者より生産者,製造者を向いているからだと思われてならない.今回の汚染米の流通も偏に企業重視,産業重視の姿勢がもたらしたものに他ならない.食品添加物の表示で一番問題なのは,例え天然の果物や,草花から抽出したとしても,科学的に精製した時点でただの化学物質なのに,平気で「天然由来成分」などと書くことが許されている現実である.
某食品メーカーの社名にもなっているグルタミン酸ナトリウムなども,「サトウキビから生まれました」などという,「天然由来」を売りにしているが,工業的に精製したアミノ酸に過ぎない.グルタミン酸そのものに害があるかないかは別として,こういった表示が横行しているのはおかしなことだ.
こうした科学的に処理を行った物質は,その物質を含んだ植物などをそのまま摂った場合と,生体への作用が異なる場合が多々ある.ビタミンCにしても,L-アスコルビン酸として摂取するより,野菜や果物そのものから摂取した方が体には良いし,特に吸収に大きな差が出ることがある.
近頃のように添加物ですから無い「有害物質」が含まれるのは論外だが,真実を隠すような表示は行うべきでは無いだろう.現状では消費者は自己防衛するしかないのだ.
KKベストセラーズ
全網羅 食品添加物危険度辞典
渡辺雄二著
ISBN4-584-10306-2

コメントする