
街道をゆく
司馬遼太郎は,この「街道を行く」のシリーズを43部に渡って書いている.その中には海外の道も含まれているので,自分の住んでいる街や,故郷が取り上げられている方は幸いである.是非その巻を買い求めて読んでいただきたい.私の場合も,幸いなことに司馬氏が冒頭で書いているように,実に小さな半島ながら,その場所柄鎌倉と軍港を擁していたために,一冊に纏められている.
残念ながら,母方の祖父の時代に横須賀に来たために,三浦半島史そのものが,自らの出自に直結する訳ではない.しかし故郷の歴史はそれなりにおもしろく読める.横須賀に限れば,龍馬の奥さんであるおりょうさんの墓があったり,ペリーが上陸したり,江戸から幕末の史跡が有名だが,三浦半島としてとらえると,なかなかおもしろい.
ここで三浦半島の歴史を語っても仕方がない.しかし,子供の頃に馴染んだ地名が,司馬氏の歴史観を持って語られるのは,理屈抜きに楽しいものだ.私は三浦半島記のほかは,過去,現在の生活圏を除いて,もっとも多く訪れている「沖縄・先島への道」も読んだ.
梅雨に降り込められた日にでも,自らのアイデンティティの源流を訪ねるのも悪くない.
街道をゆく42 三浦半島記
司馬遼太郎 著
朝日新聞社刊

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