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シューベルト 交響曲8番 ”未完成”

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Mrawinskij / Leningrader Philharmonie

シューベルトの8番”未完成”は,長いクラシックの歴史の中でも五指に入る美しい旋律を誇る曲だ.しかし聞き手によって大きく二つの印象に分かれる,不思議な曲でもある.一つはひたひたと迫る,漠然とした不安感と行く手に待ち受ける絶望を強く感じるタイプ,そしてもう一つは,儚く消えてしまいそうな美しさを強く感じるタイプだ.普通は同じ演奏を聴いても意見が分かれるようだ.

ところがここに紹介する2つの録音は,誰が聞いてもそれぞれの印象が顕れる,ある意味ですばらしい名演である.先に紹介するムラヴィンスキーの1987年の録音は前者に該当する.聞いているだけで体温が下がっていくような不安感,得体の知れない闇が体を包むようだ.

取り立てて何かを強調するような演奏ではなく,この名コンビらしい切れのあるしかし淡々とした演奏なのだが.これほど胸を締め付けられるような演奏は,他に聴いたことがない.私はとりわけこの演奏が好きだ.テンポの速さでいうと,クライバーの演奏も近いように思うが,内容は全く違う.

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Karajan/Berlin Philharmonic

2つめはカラヤンがベルリンフィルと録音した1975年の演奏である.これは誰が聞いても後者の印象を受ける演奏で,他に比ぶべくもない美しい演奏だ.こういう演奏をさせると,カラヤンの独壇場だ.それにしても同じ曲を演奏しているにもかかわらず,何故こんなに違うのだろう.

気持ちがよいほど対照的な演奏である.機会があれば是非聞き比べていただきたい演奏だ.

Mrawinskij / Leningrader Philhamonie
JVC VDC-1009

Karajan / Berlin Philharmonic
EMI TOCE-14098

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