祝? 次世代DVD規格戦争決着
Blu-ray Disk
東芝がHD DVDの撤退を今週正式発表するというニュースが報道された.東芝は「技術的優位」を強調していたが,ユーザーの目から見るとこれはいささか首をひねりたくなるものだった.ネットとの親和性についても,JavaをサポートしたBlue-rayの方が有利に思えるし,何しろ容量に関してはどう見てもBlu-rayが有利である.DVDとの互換性が高いというのはいささか後ろ向きな「優位」であるし,何よりハードを供給が単独というのは,無理があったのではないだろうか.
おかげさまでBlu-rayに先行投資していた私は損をしないで済んだが,特に米国においてこれから東芝は対応を迫られることになるだろう.日本では考えられないが,米国ではこの規格の違いについて,一般消費者はよく知らないらしい.つまり単純に「ハイデフのコンテンツ」というような認識で,値段のみでHD DVDの再生装置を購入している人が多いというのだ.
これが本当だとすると,今後訴訟問題が出てくるだろう.米国ではこの手の企業対消費者(=弱者)という構図に非常に厳しい判決が出るので,場合によってはすでに投資した分に匹敵する損害が出ることも考えられる.
今になってこの規格争いの経緯を振り返ると,何故東芝は単独であんなに強気の勝負に出たのか,はなはなだ疑問である(その背後にマイクロソフトの陰があるにせよ).それ以上に間抜けなのは昨年後半に両対応からHDのみに移行したユニバーサル・ピクチャーなどの経営陣であろう.こちらも株主から厳しい評価が出そうである.
ではBlu-rayは前途洋々かといえば,これもいささか心許ないのである.現在Blu-ray用にハイデフのマスターエンコードを請け負うっているのは,ソニー系のスタジオのみで,ここを使わないコンテンツ・ホルダーの出すソフトはお寒い内容になっている.
バンダイビジュアルのBlu-rayコンテンツ
バンダイビジュアルが当初出していた何故かDVDとBlu-rayの二枚組のシリーズ.これはDVDと同じマスターをアップコンバートしたものが多いらしい.つまりDVDを再生装置でアップコンバートするよりはいくらかまし,と云った程度なのだ.写真の攻殻機動隊もBlu-rayの内容はDVDに毛が生えた程度だ.
元々古いコンテンツだとはいえ,Disneyの「パイレーツ」シリーズと比べてしまうと酷いものだ.もともとある程度の品質のマスターが無いコンテンツは,はたしてBlu-rayにする意義があるのか.そしてハイビジョン品質のテレビの普及はどれだけ進むのか,この辺はまだ不確定要素だろう.