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相対論的宇宙論 復刊であります

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相対論的宇宙論 講談社刊

30年前の名著を2003年に復刊した物である.一体いつ廃刊になったのか知らないが,私は中学生くらいの時に読んだ記憶がある.一般大衆は洋の東西を問わずオカルト好きであるが,中高生くらいには徹底的に科学が好きな子供もいるものだ.そう言った科学好きの琴線に触れる本を,講談社のBlue Backsシリーズは多く出していた.

今やこの手の本は売れないようだ.何しろ高校生の年間読書数が数冊というご時世である.ましてこのように小難しい本が売れようとは思えない.かつてこの本に触発され,SFまんがを書き始めたのが松本零士氏である.その縁でこの復刊本では挿絵を描いている.

今時の中高生は,男女を問わず占いや心理テストなどのサブカルチャー的なものを信じている割合が多いそうだ.話は逸れるが,心理学は「科学」ではない.なぜなら実証する術がないからである.従って寧ろ哲学などの人文系の範疇に入る.

「Tシャツを着るときに先に頭を通す人は,依頼心が強くマザコンである」などと,荒唐無稽な本を書く学者が存在する学問が,私には理解できない.先に腕を通そうが頭を通そうが,そんなことが人格的な表現であるはずがない.但し,行動心理学など,個として無意識な集団の意識についての研究は,実証的な物なので「科学」と言える.従って分類的にも「行動科学」と,「科学」という言葉が使われている.

こういった心理テストは統計ですらない.言った人間がそう推察しているに過ぎない.なぜなら,マザコンであるという定義すら明確でないからである.100人にアンケートした結果,頭から通した人の60%がマザコンでした,と言ったところで,それを証明することはできない.親孝行で母親に優しい人と,マザコンをどのように区別するというのだろう.

さて,相対的宇宙論だ.この本が廃刊になった理由は,発行当時から理論が覆ったり,やや最新の理論と外れることが出てきたかららしい.数学の世界でもポアンカレ予想が証明されてしまったり,科学の世界の進歩はめざましい.

些か季節外れの台風に降り籠められた日には,こんな本を読みながら宇宙に想いを馳せるのもおつなものだ.

新装版 相対論的宇宙論
佐藤文隆,松田卓也著
講談社 Blue Backs
ISBN4-06-257425-X

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