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2006年12月17日

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METROPOLIS - メトロポリス -

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METROPOLIS (紀伊國屋書店 KKDS-336)

あまりにも有名な作品であるが,果たしてこの作品を見たことのある人はどれ程居るのだろう.1927年ドイツのフリッツ・ラングが作成したこの映画は世界中のSF映画に80年あまり経過した現在において尚,大きな馘(くびき)と成っている.全てのSF映画の源流であり,いまだ超えることの適わない巨大な壁なのである.

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手塚治虫のメトロポリス

この映画がもたらした未来イメージ.即ち巨大なビルが群れをなす巨大都市.空中にハイウェイが走り,空を飛ぶ乗り物,そして光の届かない地下で生活する貧困層.実はこのイメージはハリソン・フォードが主演したブレードランナーでなぞられ,以後世界中のSF映画で繰り返し形を変えて引用される事になる.

日本では不幸なことに,日本アニメーションの源流である手塚治虫がメトロポリスに強い影響を受けたため,二重の馘となってしまったのである.地下の貧民街で行われるカーニバルにおける提灯や,歓楽街の名前が「YOSHIWARA」と呼ばれているなどの東洋的なイメージも,実は1927年に既にフリッツ・ラングが作り出していたのだ.

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ブレードランナー(1982年Warner Bros)

日本では押井守,大友克洋などは完全にこのイメージに囚われていると言えるだろう.手塚の作品にしても,手塚版メトロポリスはアトムなどその後の作品の原型になっている.その意味で日本のアニメーション(SF)が真に独自の世界を獲得するには,新たな世代を待たねば成らないのだろう.

海外の作品でも例えばトータルリコールなどは,完全にブレードランナーの世界観,即ちメトロポリスの世界観を膨らませた物に過ぎない.世の中にはこのような「功余って罪有り」というような作品があるものだ.

公開当初は2時間30分(1秒24コマで上映して)の大作だったが,当時映画作品の著作権が確立しておらず,様々なカット版が出回り,現在完全な形で原作は残っていない.このDVDは断片を丁寧に集め,字幕(無声映画です)を再現し,映像が残っていない部分も字幕に似せて説明を施すなど,苦心の編集を行っている.本DVDでは118分となっている.