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2006年08月15日

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カリブ海の思い出

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グレイエンジェルフィッシュ

写真のグレイエンジェルはカリブ海固有種のキンチャクダイ科の魚である.嘗て一度だけカリブ海に出掛けた事がある.カリブ海と言えば,なにやら原色の鮮やかなイメージがあり,太平洋とは違う生態系を持つ海なので,非常に楽しみにしていた.場所はホンジュラスで,ややカリブ海の中心部から外れた南の果てに位置している.

メインはドルフィン・ダイビングで,珍しくスクーバを使用してイルカと潜れる施設がリゾートに併設されており,餌付けをしたイルカを外海に連れて行き,一緒に潜ることが出来た.しかし,冒頭に述べた通り,なんと言ってもカリブ海だ.海中はさぞ原色に溢れる,鮮やかな海だろうと思っていたら,実際にはイメージとは随分違った.

グレイエンジェルからして,モノトーンで写真に撮るのが難しかった.全体に海は浅くて,白砂なうえ造礁珊瑚がほとんど無く,ソフトコーラルもベージュやグレーが多かった.カリブ海の原色のイメージは一体何だったのか.一つには陸上のイメージに原因がある.カリブ海各国の情熱的な国民性が,原色のイメージに結びついている.

もう一つは,欧米人とくに白人との色彩感覚の違いである.白人は多くは色の薄い虹彩をを持っており,そのため網膜の感度や,見やすい色温度がアジア人とは違っているのだ.海外の水中写真家の写真を見たときに,色がどぎつく感じたことは無いだろうか.水中写真に限らず,旅行のパンフレットなどの広告写真でも,ハッキリと違いが判ると思う.

彼等はハッキリとした色を好む,というかそう言う色でないとハッキリ見えないといった方が正しいかもしれない.そのため写真も印刷するときには原色を強調し,コントラストを強くするため,アジア人が見ると鮮やかすぎるくらいに見えてしまうのだ.

実は欧米人との違いは,色彩感覚だけではない.ダイビング中に外人に手招きで呼ばれると間違いなくサメかウツボだ.サメはともかく,日本人ダイバーにしてみればウツボなんて見飽きるくらいに見ているので,深場やあるいは逆に浅いところから呼ばれるのは非常に迷惑な話なのである.呼ばれて,「はぁ」という感じで,固まっていると「写真を撮れ」と身振りで催促される.

従って,まかり間違って外人の友人を作って一緒に潜るとその時のネガは,サメ,サメ,ウツボ,ウツボ,ワニゴチ,ウツボ,カサゴ...と言うような構成になってしまう.不思議なのは日本人が大好きな光り物に彼等が反応しないことだ.バラクーダやギンガメアジの群れを見ても,彼等はあまり反応しない.

一度,20mに居る私を45mの深場から呼んでトラウツボを見せてくれたお節介な彼を伊豆の雲見あたりに連れて行ってあげたかった.一本のダイビングで大好きなウツボを数十匹見られるのだから,さぞ喜んだことだろう.