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香箱組んで昼寝して(11) - 動物を飼う覚悟 -

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駅前の猫<テツガク>

以前は道の反対側の民家近くにいたが,ある時から道を渡った向かいの店舗の足ふきマットに座り,じっと道を眺めている.日が高くなると他へ行くようだが,人の少ない早朝には,必ず道を見つめて何事かを思索している.

猫が鳥インフルエンザ(H5N1)に罹患する事が判明してから,フランスでは捨て猫が例年の数倍に増えているらしい.文化国家の仮面を被った人種差別好きの彼の国らしい事だ.クジラはだめでも猫は捨てて良いらしい.

それはともかく,捨て猫の将来について,憂いを禁じ得ない.動物を飼うことの覚悟が出来ないのなら,最初から飼う資格はない.かわいいとか,かわいそうといった安易な感情だけでは,動物を飼うことは出来ない.

もし飼っている動物に悪い癖がついてしまい,周囲の人間に危害が及んだり,一緒に暮らすことが出来なくなったらどうするか,奇跡のような技を見せるトレーナーがこの世には居る.そのような人に頼っても解決しなければ,安楽死を選ぶしかない.この苦痛を受け止める覚悟もなく.「飼えなくなったので捨てる」無責任さを何故理解できないのか.

猫は人に撫でられたことを決して忘れない.撫でてくれた「人」は忘れてしまうかもしれない.しかし,生まれて初めて撫でられたときに,「人に撫でられることが好きなのだ」と猫は思い出す.だから,その一生を終えるときまで,撫でてくれる存在としての「ヒト」のそばを離れない.

ヒトに虐められて,ヒトを疑わざるを得なくなったとき,猫たちは苦しそうな顔をしてヒトを拒む.撫でられたい,近くにいたい,その葛藤を打ち消すために.苦しげにうなるのだ.

生活をヒトに依存させないために,私は路上の猫に餌はやらない.しかし,近寄ってくる猫は撫でてあげることを忘れない.汚くても,病気でも,撫でてあげることを忘れない.それだけで猫たちは生活の苦しさも,町住まいのストレスも,ヒトへの恨みも忘れてくれる.

猫が,撫でてくれる「手」を忘rないから,私は「撫でる」ことを忘れない.それが数千年前からのヒトと猫の契約なのだ.

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