香箱組んで昼寝して(6) -避妊手術と猫のしあわせ-
満2歳を迎える前の冬,ついにぴーすけも娘になった.「さかり」が本格化したのだ.これまでも軽くは来ていたが,このときは激しく狂おしく,野生の呼ぶ声が心に響いたらしい.困ったことに,これまでトイレで失敗したことなど無いのに,粗相をするようになった.とにかく私のにおいがする物におしっこをしてしまうのだ.一番被害にあったのはちょっと奮発して買った羽毛布団だった.
他にもジャケットや,ジャージなど洗濯していない衣類はことごとく被害にあった.いよいよ今日使う掛け布団が無いという段になって決心しました.
「やはり避妊手術をしよう」と.前の晩にぴーすけをひどく怒ってしまい,そのとき耳を後ろに伏せてしょげていたのをみると,最善の策は手術をすることだと思った.
すぐに予約をし,二泊三日で病院にお泊まり.連れ帰って家で見たときはちょっとショックだった.さすがにやつれて,私を見上げかすかな声で呼ぶのを聞いた時は,何とも言えない罪悪感を感じてしまった.しかしぴーすけが私のペットで,快適な共同生活を営むために支障が出た以上はこうするしかないのだ.
しかし次の日,仕事から帰ると,ベッドの上で自分がしたおしっこだまりの中で,ぐったりとして私を見上げているのを見たときは本当にショックだった.心の中で謝りながらタオルで体をぬぐってあげました.
10日後に抜糸をしてからはいきなり全快ではなく「全開」で,走り回ってくれました.
幸いおしっこ癖も残らず,いまでははげの写真も思い出です.手術してもさかりの時のおしっこ癖が残ってしまう猫も居るらしいので,その点は安心しました.
今でも,「野生の呼ぶ声」はかすかに体の芯に残っているらしく,座っていると私の脚や膝におしりをすりつけてくる事があります.もうぴーすけは子供を産むことはできませんが,残りの生涯をのんびり暮らしてもらいたいと思います.救いは,毎日「まんざら」でもなさそうに,くつろいだ顔をしてくれることです.
