香箱組んで昼寝して(13) - ペットとの別れ -
ぴしゃーまとの別れなどまだ考えていない.少なくともまだまだ10年以上先のことだと思っている.しかし,いつか別れの日が来ることは避けられない事実だ.先日,愛犬との別れを体験した知人に話を聞いた.
老犬を飼っていた知人は,会社で奥方から,どうも危ないようだと電話をもらったが,残業で帰りが遅くなってしまった.息はしているが,意識はないようだと聞かされて,最後のお別れをしようと,寝室の隅に寝かされた老犬のそばに寄ろうとしたら.不意に老犬は首を持ち上げ,主人の方に振り向こうとした.
寝返りを打てず,床ずれが出来ていたくらいので,動いた事に驚いたそうだが,苦しそうに息をするので,首を支えて,「もう良いよ,ご苦労さん」と言うと,「ふー」と深く息を吐いて,そのまま無くなったとのこと.恐らく主人の帰りを待っていたのだろう,最後の挨拶をするために.この事で知人は終日奥方に詰られたそうだ.「毎日散歩をさせたのも,毎日餌をあげたのも私なのに,何故あんたなの?」,と言うわけだ.
さて実はこういった話は珍しいことではない.特に人間とのつきあいが長い,犬,猫,馬では良く聞かれる.猫の場合,放し飼いにしていると,主人の職場によって,その後行方不明になるというパターンを何度か聞いたことがある.普段一度も来たことのない職場を訪れるらしいので,これも別れの挨拶なのだろうと思われる.
こういう信頼関係を築けているのか,気にせずには居られない.犬なり猫なりを飼う身の程なればこそ,最期に信頼を得られる,立派な飼い主として認められたい物だ.しかし,それを決めるのは飼い主ではない.言うなれば,飼い犬,飼い猫が主人に渡す,最後の通知表と言えるだろう.
ペット達の最期にあなたは,立派な成績をもらえる自信がありますか?